運命の恋~先生を抱きしめたい~
先生と私になんの進展はなかった。


それでも私はよかった。


自分の想いは伝えた。


先生の姿を見られるだけで
幸せな気分だった。




「月城」



「はい」



「今回の数学は 少し点数落ちたぞ。
しっかり復習してるのか?」


眼鏡を上げて先生が
私を見る。



「してるつもり…だったけど……」



「まだ書類出てないけど
どうするんだ?
志望校は?一年のうちからだいたいは
決めて準備していかないと。」



先生は、ニコリともせず
淡々という。



私はそんな先生の顔を
ジーーーーッと見つめた。



「聞いてるのか?」




「聞いてない・・・・・。
先生を見てるの。」




「ふざけるなよ。
進路を早く決めろよ
おまえだけだよ。」




先生はため息をついた。
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