運命の恋~先生を抱きしめたい~
「どこで暮らしたい?」

母は言った。


「風景がきれいで
季節を感じられて・・・・
私を知らないところに住みたい」



私の言葉で
両親が母の勤め先の病院を
探し始めた。



母は本当はやりたいことが
たくさんあったのに・・・・
申し訳ない気持ちだった。



「ごめんね、ママ・・・・
こんなはずじゃなかったの・・・・」



「何言ってるの・・・
ママは紅のそばにいたい・・・
だけど紅が元気になったら
紅を守ってくれる人ができたら
ママはまた出かけるけどいい?」


「うん・・・いいよ・・・
ママと一緒にいられてうれしい・・・」


子供の時 忙しい母しか覚えてない
でも今 母は優しい笑顔で
私を見つめてくれていて……
今…母に愛されてるって実感がわいた



「これから二人で頑張って行こう
紅はママがついてるからね。」



母の胸で傷を癒して行く・・・・
残酷な悪夢に襲われたけれど
そのおかげで両親ともまた
触れあえた・・・・・
お腹にいたあの子がきっと導いてくれた
私はそう思うことにした。
そしたら少しだけ心が軽くなった。


 ありがと・・・・
 ママ頑張るからね・・・・・


私は愛する人の住む街を飛び立った。


「ここに心をおいて行くね……
先生…………」
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