運命の恋～先生を抱きしめたい～

母がニコニコ笑ってた。


「幸せそうね」


私は母の顔をまっすぐには
見られなかった。


「うん」


「やっぱり一番の紅の先生なのね。
もっと早く会ってたらよかったのに」



「ママ・・・
お願いがあるの・・・・
出発まで先生と一緒にいていい？」



「え？紅はここにいていいのよ。
ママ一人で行けるもの・・・」



「ママ・・・・
一緒に行くから・・・・」



「だって・・・・
先生と一緒がいいんじゃないの？
ママも彼なら安心なんだけど？」



「出発まで・・・・・で
いいの・・・・・
嘘やごまかしは長くは続かないよ」



「ごまかしとか嘘とか
紅は何を言ってるの？」



「先生には知られたくないの。
あのことだけは・・・・
あのことを知ってしまったら
きっと私に同情するから……
知らない間だけは　本当の愛なんだよ」



母は首をかしげた。