運命の恋~先生を抱きしめたい~
クソおもしろくなさそうな
高校の入学式


私は制服に袖を通した。



「なつかしいわ~」

めずらしく本から目を離して母が言った。


「私にも紅くらいの時があったのね。
もう遥か遠い昔だけどね……
入学式行くつもりだから
先生にも挨拶してこなきゃ・・・・
校舎に入るのも
久しぶりだし・・・・・
なんだかウキウキするな~」


めずらしく母がよくしゃべって
私は驚いた。





「その制服着ると
なんか自分を思い出すな~
紅が着てくれてうれしいな。」



母が立ち上がって
スカーフを結んでくれた。


「これって上手な結び方って
あるんだよ。
覚えておいたらいいよ。」


母の香水の匂い。


こんな近くに母がいるのは
久しぶりだった。
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