私の愛した先生

新しい道

何も分からないまま・・・何も出来ないまま卒業式を迎えた。

当日、学校に来る途中、先生が事故に巻き込まれたらしい。


心配でいてもたっても、いられない。


教頭先生達も、ソワソワしている。


どうか、無事でいて下さい。


それだけを願っていた。


心の中で、何度も何度も、繰り返し、叫び続けた。

『無事でいて・・・』

と・・・


卒業式は順調に進んでいる。
あと、30分で卒業式が終わる。3年間が終わる。


バン!!!


体育館の戸をおもっいきり開ける音がした。


みんなが一斉に、戸の方を見る。


立っていたのはいつものジャージ姿じゃない、スーツ姿の先生だった。


私は思わず泣いてしまった。
気づかないウチに、涙が流れていた。


声も出さずに泣いた私を見て…

みんなは、どんな風に思ったのだろう…


卒業するのが悲しくて泣いたとか、思ったのかなぁ?


実際は、先生が無事だった事が嬉しくて、それと同時に、先生と別れる事が寂しくて、沸き上がる感情を抑え切れなかっただけだった。


卒業式は無事に、滞りなく終わった。
そして、3年間が終わった。



これから、私は自分の道を自分で歩んで行く。
新しい道をただひたすら、真っ直ぐに★


先生・・・お世話になりました。
ありがとう。






さようなら。
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