ドライヴ~飴色の写真~
   〈5〉

 夕焼けが熱い。
 まるで、何もかも、全てを燃やそうとしているかのようだ。

 私は、ほぼ無意識で校舎の中庭に立っていた。

 時間まであと10分程だ。

 あれから、なんとか教習はこなしたが、正直頭の中は、あの暗号のことでいっぱいだった。


 一つ目は、〇の中に×が書かれた記号。
 二つ目は《−》。
 三つ目は、〇の中に\が書かれた記号。


 そういえば、しばらくこの暗号のことを忘れていた。

 私は、なるべく気持ちを落ち着けようと、これに集中した。

 これは…一つ目と三つ目は、もしかして道路標識?

 とすると、一つ目は…通行止めの標識だ。
 すべての歩行者・車・路面電車の通行ができない。

 三つ目は、車両通行止めの標識だ。
 車(自動車・原動機付自転車・軽車両)は通行できない。

 二つ目は、マイナス、ということだろうか。

 単純に通行できるのは、歩行者と路面電車。

 これが表す人を、私は本当に知っているのだろうか。

 私は様々な人の名前を思い浮かべた。

 最初は音感で、そして、漢字で…
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