ドライヴ~飴色の写真~
「ところで、十雨くんの彼女って?」

 私は改めて聞いてみた。

 こんなイケメンの彼なら、彼女がいないことの方が不思議だが、今まで彼女らしき人と一緒にいるのは見たことがなかった。


「ああ。先生、原田千夜李(はらだちやり)って知ってる?」

「原田さん!?」

 原田千夜李さんの担当は、私の課ではないが、それでも名前も顔も充分知っている。

 彼女は、この教習所で過去最高の美少女と噂されている程の飛び抜けた美貌の持ち主だ。


 何より、日本人離れしたその顔に目が行く。
 目鼻立ちはくっきりしているが、決してそれが煩いとは思わない。
 大きい目とは対照的な、小さく上品な唇も愛らしい。
 身長は私と同じくらいだから、160センチ程だろう。
 華奢な体で流行りの服を着こなすその姿は、まるでファッション雑誌から飛び出したみたいだ。
 そして、綺麗なブラウンの緩く、柔かく巻かれた髪。しかも、それは自毛だというから驚きだ。

 ……おいおい、神様。

 彼女にどんだけサービスしたら気が済むんだ。
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