恋する乙女
屋上に行くと、涼しい風が吹いていた。
桜のピンク色はもうほとんどなくなってしまった。
「気持ちぃ~!!」
フェンスにもたれながら、みかるが言った。
「最近さぁ、ストレスたまっててさ、昨日渋谷で暴れてきた・・・」
無表情でポツリと言った。
怖いよ・・・みかる・・・。
「暴れんの・・・楽しい?」
小声で聞いてみた。
「ううん・・・。
全然。
ただストレス解消になる。
ま、ナツといた方が圧倒的に楽しいけどね」
ハハッ・・・照れる・・・。
顔が熱くなった。
赤くなってるかも・・・。
「・・・そう?」
何気なく返事をしてみた。
すると、みかるが私に指さして、
「あっ!
今照れたっしょ!
顔赤いし~」
ず、図星!!
・・・エスパ―かお前は!!
・・・恐ろしい!!
にやついてるみかるを見て余計に身震いがした。