恋色想い




「ねぇ聞いてよ!碧衣ったら、小テストの勉強しだすんだよ?」



大げさに愛美が春菜と加奈に話しているのを私は横で聞いている。





「うわ、碧衣ガリ勉!」


加奈がケラケラと笑いながら私を見た。






「だって落ちるの面倒じゃん。」




笑顔を顔に貼りつけて、私は加奈に言う。





朝のこの駆け引きがおっくうだ。
いっそのこと、ガリ勉で悪い?って言えたらいいのに。






弱虫な私にはそれが出来ない。


愛美のように、自分のキモチを素直に表現出来たらいいのに。



私は心の中でため息をついた。







そんな私をまるごと、全部愛してくれたのが君だったよね───…










< 12 / 230 >

この作品をシェア

pagetop