恋色想い
「ねぇ聞いてよ!碧衣ったら、小テストの勉強しだすんだよ?」
大げさに愛美が春菜と加奈に話しているのを私は横で聞いている。
「うわ、碧衣ガリ勉!」
加奈がケラケラと笑いながら私を見た。
「だって落ちるの面倒じゃん。」
笑顔を顔に貼りつけて、私は加奈に言う。
朝のこの駆け引きがおっくうだ。
いっそのこと、ガリ勉で悪い?って言えたらいいのに。
弱虫な私にはそれが出来ない。
愛美のように、自分のキモチを素直に表現出来たらいいのに。
私は心の中でため息をついた。
そんな私をまるごと、全部愛してくれたのが君だったよね───…