天使降臨
(『小説・堕天使無頼』改題)
ケルビム。
俺の真の名前。
俺が地上で決めたこと。
誰も愛さない
転生は前世のあやまちを
人と同じくあがなう
誰にもすがらず
誰にも意見させず生きる。
しかし
俺は
あの大きな瞳の少女のような天使にひそかに微笑んだ。
クリスマスイヴの晩に出会った成人した女に興味を抱いた。
そうだ。どちらも覚えている!
俺がサキを置いて地に降り立ったばかりに!
繭に亀裂が入り始めた。