グレーな吐息~せぴあなタメ息③~
「君、悟と一緒に来た子?」
「あ、はい。そうです」
その、背中を押しのけるように、悟が出てきた。
「こら、タケルいきなり口説かない」
「何だよ~。悟さんこそ、こんなところに
こんな可愛い子隠して」
「って、ルシアンのボーカルだ。大切な預かりモノだ」
「へえええ」
タケルはまじまじと類を見た。
男装ではあるが、類は綺麗な子だ。
「こら惚れるなよ。高校生だぞ」
「えっ?高校生!?」
タケルは、驚いた目で、類を見た。
「うそ。見えない。あ、18くらい?なら、オレとあんまり変わらない」
「16です」
タケルは、固まった。