グレーな吐息~せぴあなタメ息③~
「うわ。全然ダメじゃん悟さん。
手ェ出しちゃダメだよ~」
真顔で言う。
「ばか。出すか。オレは今、保護者だ。
お前こそ、近寄るなよ。
お前が一番危険なんだから」
「ええ?そうですか?」
ちらっとタケルは悟を見やる。
「いいから、行こう。まだ、運んでない機材があるんだ。
手伝ってくれ」
「・・・だって」
タケルは類の方を見た。
少しの間、真顔で類をまじまじと見て、
それから満面の笑みを作ると、
「じゃ、またね」
ヒラヒラと手を振った。