グレーな吐息~せぴあなタメ息③~
おお、カーテンがあったのか。
類はバッグを手に、引かれたカーテンを見つめる。
「オレ、部屋の外に出たほうがいい?」
「・・・出なくていい」
類は、バッグの中身を、じゅうたんの床にひっくり返した。
落ち着いた色合いではあるけれど、
赤のミニ丈のワンピース。
「これ、着るの・・・?」
類は躊躇した。
「アサコさんからのプレゼントだって。
初めてのライブのとき、
急にヴォーカル頼まれたんだってね。
その時のお礼だって」