姫密桜
槇の瞳を思い出す・・・

『急いで
 
 大人になるな』

私を見つめる、あの瞳は
いつもと雰囲気が違って
いた。

それはまるで
 
愛しい人をみるように

・・・

今朝の、那智の言葉を
思い出す。

『ひとつだけ
 教えてやるよ
 
 さっきのアニキ・・・
 きっと
 お前の事が好きだよ』

そんな訳・・・無いよ。

槇が私を好きだなんて

絶対に、有り得ない。
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