姫密桜
この時間帯、我が家の
浴室は電気が点いている
事が多い。

何も疑わずに脱衣所で
いつものように洋服を
脱いだ私は

全く気づかずにいた。

静かに湯船に浸かり
瞳を閉じる槇が
このドアの中にいる事を

何も知らずに
浴室のドアを開けた
私の瞳に映る、槇の姿。

湯船から立ち上がり
足だけが、お湯の中に
浸かる。

「うわぁ」

槇は慌ててお湯につかり

「ごめんなさい」
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