姫密桜
涙で、潤んだ瞳で
見上げた彼女に

貴方は困り
口角を上げて微笑み
かけた。

私の大好きな微笑み・・

最近は、私には
見せてくれない

あの微笑を、槇は
彼女に見せた。

その笑みに、彼女は
また、見惚れる。

そして、今以上に
槇に、心を奪われる。

彼女の瞳は言う・・・

槇が欲しいと・・・

その聞こえない言葉に
答えるように

槇は、折口さんの頭に
そっと、手を置いた。
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