姫密桜
「なんか
 寒気がしてきた」

「マキ、大丈夫
 歩ける?」

桜の肩に右腕を回して
槇は、身を預けながら
ゆっくりと歩く・・・

槇は、白いジャケットの
ポケットから携帯を手に
取る。

「サクラ、ちょっと
 黙ってて」

槇は、折口さんに
電話をかける。

「もしもし、オリグチ
 俺だけど、マキ
 ごめん・・・
 
 風邪引いたみたいで
 熱があって・・・
 今日は行けそうにない
 
 ごめんな
 本当に、ごめん」

携帯電話を切る、梓は
槇の変化に気づいていた

梓・・・名前ではなく

折口・・・名字で呼ぶ彼

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