姫密桜
槇と、やっと近づいたと
思った距離が離れていく
虚しさに、梓の胸は酷く
痛むのだった。

「マキ、痛いよ・・・」

折口さん、彼女は今頃
泣いてるかもしれない

そう思うと、私の心は
『ざまぁ~みろ』という
感情よりも罪悪感で
いっぱいになった。

申し訳ない気持ちで
いっぱいになる・・・

でも、謝ったりしない。

謝るのは違うような
気がする。

私と貴女の関係は

好きな人を
『とるか、とられるか』
の関係

この世に一人しかいない
人を、奪い合う。





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