姫密桜
「サクラ
 
 最近のお前、ご機嫌じゃん
 
 何かいい事でも
 あったのか?」

ロッカーの前で靴を履きかえる
私に、那智は言う。

「おはよう、ナチ」

「おはよう」

教室へ向かう槇と、那智は軽く
会釈を交わす。

「何、今日も
 アニキと一緒だったの?」

「う、うん」

「何?
 何か、進展あった?」

何気ない、那智の言葉に
図星の私は、耳まで
真赤になるのだった。
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