姫密桜
槇の腕が伸び、その手が
探すのは、私の手。

指先が触れたかと思うと
優しく繋がれる。

私達は、また
手を繋いで歩く。

槇の買い物袋の中を覗く私。

「辛子明太子、買った?
 鮭は?後、おかかも」

この三つは、槇が大好きな
おにぎりの具。

「もちろん、買った
 
 サクラは、海老マヨと
 とり五目」

「朝から、二個も
 食べれるかなぁ?」

「残したら
 俺が食ってやる」

「うん」
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