姫密桜
櫂の部屋の扉が開き

部屋を出て行く槇は言う。

『勘違いすんなよ
 俺の好きは、愛とは違う
 ・・・』

「アニキ
 
 それは、愛だよ」

兄貴は、口元を少し緩めた。

「バカ言え
 
 幸せにしてやれよ」

「任せてよ」

ドアは、静かに閉まる。

アニキ、貴方の大切な

可愛い妹を

俺は必ず、幸せにしてみせる。

俺達の可愛い妹を幸せに・・・

だから、サクラ

泣かないで・・・
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