姫密桜
周囲は、二人の愛を

それを

許してはくれない。

問題は、もっと深刻・・・

この場所に、私達の居場所
など最初から無い。

この場所で
この愛は、育めない・・・

本当の闇、真実を忘れた
私の心は、槇がこの家を
出て行く。

その事にのみ、囚われ

槇に毎日、逢えなくなる事を
嘆き悲しむ。

そんな次元の問題じゃない。

私達が結ばれたのは、過ち。

制服を着た私は、通学鞄を
手に持ち、部屋の扉をゆっくり
音がしないように閉める。

そして、閉まっている
槇の部屋の扉を見つめた。
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