姫密桜
「サクラ」

母は、黙ったままその場に
立ち尽くす私の傍に駆け寄り
私の震える手を、ぎゅっと
強く握り締めてくれた。

その温かい手は
大丈夫、大丈夫だと
言ってくれているようで
安心する。

「ママ・・・」

私を強く抱きしめる母の
向こう側に父の姿が見える。

『マキを(父を)

 困らせちゃいけない』

私は、また閉じ込める?

貴方への

溢れる想いを

胸の奥、ずっと深くに・・・

閉じ込めるの?
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