姫密桜
槇は、お昼休みを教室で過ごす

『お昼休み
 彼女、オリグチさんには
 会わないで・・・

 彼女の言葉に、絶対に
 耳を傾けないで』

『彼女の声を・・・
 お願い
 聞かないで』

俺は、桜と交わした約束を守る

屋上に、たった一人きり

梓は、一口も食べずに
お弁当の蓋を閉じた。

その手に落ちる、涙・・・

槇の愛を得たくて、自分が
今までにしてきた出来事を
思い出すと苦しい。

残酷で、意地悪な

壊れた私。
< 534 / 675 >

この作品をシェア

pagetop