姫密桜
家に居て、思い悩むぐらいなら
外へ出て、何かに夢中になって
槇・・・貴方の事を忘れたい。

ほんの束の間でも忘れたい。

槇と別れて幾日、毎日辛い。

こんな辛さぐらい予想できた
はずなのに・・・

現実は、もっとずっと苦しい。

こうして、いつの間にか
私だけの時間が過ぎて行く。

槇の知らない、私の時間。

槇と私・・・

二人の時は、微妙にずれたまま
進む。

バタン。

玄関のドアが閉まる音が響く。

槇・・・

私は、鞄をそのまま放置して
慌てて玄関先へ行き出迎えた。

「おか、えり・・・」
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