姫密桜

苦しい?

待ち合わせ場所に着いた後
とりあえず、三人で駅の周辺を
ウィンドウショッピングする。

夏休みに入ってから、那智と
和歌子は、二人きりでよく
会っているようで、この間より
も、二人の距離が近づいている
ような気がする。

私は、寄り添い、手を繋ぐ二人
の姿を見つめて、つい微笑んで
しまう。

「何、サクラ?
 
 寄りたいお店あった?」

「ううん、ないよ」

ショッピングにも飽きた三人は
缶ジュースを手に、いつもの
ように公園で話をしている。

私は意を決して、二人に槇と
やり直したい、その想いを
告白した。

那智も和歌子も全く驚くことは
なく、応援してくれると、そう
言ってくれた。
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