拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

夜空






 夜空


夜空を見てる

あの星がひとつ
見えないだけで
あの時
夜空が闇夜になった

それから
幾星霜を経て
闇夜をすべて受け入れたとき
なぜか名もない星が
遠くから瞬いて
私に語りかけた

言葉のない言葉で

その星は今も
瞬いている

魂の闇夜は無意味となり
無意味が無意味となる
開いた心は痛み
喜びは絶頂に達し
最高から最悪まで
駆け抜ける

ただ開いた扉から
愛があふれてくるだけ
そこに意味はない
ただ
あるがままに
弱さもズルさも快楽も
悲しみもみな

ただある

その優しさと
激しさに
魂が包まれている






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