拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

半月




『半月』


狂った女の哄笑に見えた
夕闇に真っ赤な半月
少しだけ非現実を夢見る
大地を踏み外さない程度に

都合の良い願いがもたらす
都合の悪い事態

笑う半月
現実こそが狂気なんだと
退屈を喪ってから僕は気づく
大地すら幻想なんだと

崩れ落ちる場所はもうない





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