拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

桜ん花


 桜ん花


桜ん花の吹きだまり
布団に頂き眠りたや
今宵 ほらまた
いわんかたなしの春の風

心がどっかに飽くがれる
待ってておくれよおーい
頭が狂い出す前に
待ってておくれよ命

夜になり艶消しの闇から
流れこむ風は黒髪
夜は更け艶消しの闇へ
二階の窓から足を踏み出すの


行くな
行ってしまえ
行くな
行ってしまえ

桜ん花舞い散る
あたしに降りしきる


桜ん花のお布団で
狂って乱れて死ねるなら
今宵 あたしと
情けを交わして下さいな

お風呂で流した涙が
お空の上から降ってくる
桜ん花叩いて
春がとけて流れてく

ひとひらふたひらの花びらを
白い腿に貼りつけて
満月のぼんぼりを掲げて
見知らぬあたしが迎えに来るの


来るな
待ってしまえ
来るな
待ってしまえ

桜ん花舞い散る
あたしに降りしきる

行くな
行ってしまえ
行くな
行ってしまえ

桜ん花舞い散る
あたしに降りしきる…





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