HEMLOCK‐ヘムロック‐番外編
「でもね。初めて昴を見たとき、本当ホストっぽくなくて、なんか気になっちゃったんだ。なんでホストなんかやってんのかなって不思議だった」
「な、なんだソレ」
そこまで似合わなかったか、俺……。
「“ホストなんかじゃなかったら良かったのに”って思った」
「失礼なヤツだな」
「本当だよ
私の事、お客として見て欲しくなかった」
……え?
「ただの女として見て欲しかった。色カノにしてとか調子乗った事言ったけど、昴が優しくしてくれるたびに、色カレっぽく接してくれるたびに“営業”だもんな。って思えて……
逆に辛かった」
ホストとはサービス業。
それを踏まえてホストは接し、そうと解ってて客は通う。
これはビジネス。
「じゃあ、良かったね。
昴なんてホストはもういないみたいだけど?」
だが、どうやら俺も樒も“ホストと客”の暗黙の線引きからとっくにはみ出てるらしい。
「俺、透って言うんだけど。俺が代わりに“樒”って呼んでもいいかな?」
樒はびっくりして目を大きくしていた。顔がどんどん真っ赤になっていく。
「何ソレ。今までで一番ホストっぽい」
「……うるさいな」
あの樒が恥ずかしそうに笑うのを見て、俺まで耳が熱い。
「いいけど、ソレ……、特別な人だけの呼び方だから」