花鎖


狂気に溺れた青年は、いつからか、心も身体も狂気に染まる。

愛する者も巻き込んで、狂気に染まる。

誰にも邪魔されない囲いを作り、愛する少女を籠の中へ閉じ込める。


――踊りなさい、歌いなさい、狂いなさい。

――綺麗な薔薇は棘がある。

――嘆きなさい、喚きなさい、跪きなさい。


薔薇の棘で指を刺して血が流れるように、悲しみで透明な涙が流れるように。

それが常識であると疑う事すらしないように。



――溺れなさい。

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