俺様な彼氏
三人とも『ん?』とした目で見てくる。


いや…誰の手をとれと?


あたしは苦笑いをして誰の手も借りずに自分で立ち上がった。


今度は三人が唖然としている。


誰かの手をとると予想していたのだろう。


そんな簡単に思惑通りにいくかっての。


唖然としている三人を放って鞄を掴み、教室を後にした。


軽い足どりで教室を後にしたが…下駄箱に近づくにつれ、だんだんと重くなってきた。


なぜなら…下駄箱に行くには保健室の前を通らなければならないからだ。


遠回りをしてもいいがそっちを通ると職員室がある。


どぉするべき?


普通の生徒なら迷いもなく保健室があるほうを通るだろう。


わざわざ職員室の前を好き好んで通りたがる人なんて滅多にいないし…。


しかしあたしは今朝のことがある…。


それを考えると職員室側の方がいいと感じるかもしれないが職員室にいることもありえる。


安易に選ぶことはできない、というわけだ。


自分の勘(滅多に当たらない)を信じて保健室側を通ることにした。


後で軽く後悔をすることになった━━━。


< 38 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop