(KS)Brand new cherry.
みずきのその訴えに漸く耳を傾けた男は、両肩から手を離してみずきに一言詫びを入れた。
当のみずきは軽く眩暈を覚えていたが、悪気があっての事ではないならば、
と男を咎める事をしなかった。
「失礼ですが、貴方のお名前は。そして藤市さんとのご関係は」
軽く乱れた着物を整え、息を小さく一つ吐いたみずきは男に訪ねたかった事を全て尋ねた。
男は先程の事もあったからであろう。意外にも警戒せずにあっさりと答えだした。
「ああ、そう言えば名乗っていなかったな。俺の名前は永(よう)。永遠の永と言う漢字で、ようと読む」
「私も申し遅れてしまってごめんなさい。みずきと言います。漢字はなく、平仮名です」
当のみずきは軽く眩暈を覚えていたが、悪気があっての事ではないならば、
と男を咎める事をしなかった。
「失礼ですが、貴方のお名前は。そして藤市さんとのご関係は」
軽く乱れた着物を整え、息を小さく一つ吐いたみずきは男に訪ねたかった事を全て尋ねた。
男は先程の事もあったからであろう。意外にも警戒せずにあっさりと答えだした。
「ああ、そう言えば名乗っていなかったな。俺の名前は永(よう)。永遠の永と言う漢字で、ようと読む」
「私も申し遅れてしまってごめんなさい。みずきと言います。漢字はなく、平仮名です」