忘れ物。
ただのメール。
ごく普通のメール・・・なのに、何故私にはこのメールが、デートの打ち合わせのメールに見えてしまうのだろう。
少し悲しくなった。
二人が付き合っているなんて、聞いた事もないのに。

私は心の中で舞子に謝りながら、かってにメールの受信BOXを開いた。
受信メールには、レイからのメールが大量にあった。
この受信BOXが、レイと舞子の距離を表しているようで、寂しい。


でも実際・・・高校3年生の男の人が、中学3年のガキに相手なんてしてくれる訳ない。
レイから見たら、私なんてただの子供。
どうでもいい存在のはず。
だったら舞子の方が、話も合うし、一緒にいて楽しいだろうし、大人だし。
そんな事、前から知っていたはずなのに、何だか今になって悲しい現実を知ったように思えてきた。

『日曜日は空いてるよー。』
『舞子面白れー!』
『明日まじで楽しみだわ。』

舞子の携帯に送られてきている、レイからのメール。
多分、私がレイに恋をしている事なんて舞子が知ったら、馬鹿にされるんだろうな。
恥ずかしくて、言えないや。

そのまま私は、ゆっくりと眠っていた。


♡。*.+゜♡゜+.*。♡。*.+゜♡


「あー、やっぱり携帯忘れてたかー・・・」
「うん。こたつの中にあった。」
私は眠い目をこすりながら舞子の携帯を見せた。

「今日、行ってたの?」
「合コン。」
以外な返事に驚いた。

「合コン?・・・レイも?」
「うん。可愛い女の子ばっかりだった。やっぱ桜丘高はレベル高いわー。」
舞子はジャラジャラしたピアスをはずしながら答えた。

レイも行ってたんだ。
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