あなたへ。
「どこ中?」そんな話をしている。

あらかじめ出席番号が書いてある席に座る。

隣は列を挟んで男子が座っていた。

その男子の髪は金色だった。

いきなりか、と思い気持ちが沈む。

絶対かかわらないでいよう。

その男子がこっちを向いて笑ってきた。

「ねぇ。どこ中なの?」

あの事は思い出さなかった。

「えっ・・あ、和女ってとこ。私立の・・・」
「そうなの?私立からの人もいるんだ。俺はここの近くの川中ってとこ」

金髪の男子はそうほほ笑む。

優しそうな顔だった。

世間的にはかっこいい顔、なのだろう。
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