=キング of ビースト= 2




静かな部屋に、トントンと包丁がまな板を叩く音だけが響く。


俺わ、夜琉が行こうとしていた部屋に足を運んだ。



そこわ、真っ暗な部屋で。



俺わ電気のスイッチを押す。



明るくなった部屋にわ、綺麗に目を瞑っている由莉さんがいた。


黒のダブルベッドの真ん中に美しくも脆く寝ている由莉さん。


俺わそっと近づいた。




あの夜琉さんが、愛するたった1人の人間ー…


少し細くなったが、相変わらずのきれいな顔立ち。



ダブルベッドと横のイスに腰掛けた俺わ



「由莉さん、そろそろ起きて下さいー…。


俺達じゃ、夜琉さんを止められない…ッ


あなたが必要ですー…」



と言っていたー…。


目にかかっていた前髪を優しくはらうとイスから腰を上げ、ベッドを離れた。


0時ー…


ちょっど、日付がまわった時


俺わ寝室の部屋を後にしたー…。



< 289 / 384 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop