=キング of ビースト= 2
リビングで立ち止まった私は夜琉と繋いであった手をギュッと握った。
それに気づいた夜琉は、何も言わずに私を見てきて。
私は夜琉と手を繋いでいない方の手をゆっくりと伸ばし夜琉の頬を手でなぞった。
「夜琉はここにいるー…。」
夜琉の存在を確かめようと呟いた私に夜琉は少し目を見開かせた。
「ここは、完璧すぎて怖いー…。…だけど一緒に完璧を壊していこう…。」
夜琉は見開かせた目をそっと細め夜琉の頬にある私の手を握ると優しく口角を上げて言った。
「ああ。」
穏やかな空気の中、夜琉は私をふかふかのソファーに座らせ冷蔵庫を開けた。
「由莉が飲めそうなのは…水しかねぇな。」
と言って私にペットボトルの水を渡してきた。
「ありがと。」
夜琉もビールを片手に私の隣に腰掛けた。