=キング of ビースト= 2
もしかしたらこの一週間、夜琉は私の事を気遣ってずっと一緒に居たのかも知れない。
あの男に付けられた恐怖心を感じさせないように片時も離れなかったのかもしれないー。
夜琉と離れてやっと分かったこの恐怖感…。
私には夜琉が居ないとだめだと実感させられる。
夜琉には適わないー…。
どこまでも私の事をお見通しらしい。
私は青く光ったケータイを耳に当てると
「はい。」
「何も考えずに寝ろ。」
相変わらずぶっきらぼうだけど、その優しさはちゃんと私に伝わってくる。
「ーありがとう、夜琉。」
「ああ、おやすみ。」
「おやすみ。」
おやすみと言ってくれた夜琉に、心配してくれる夜琉にまたスキと言う気持ちが強くなる。
言葉にできないこの想い、夜琉に届いて欲しいー…。