監禁ゲーム~ap~
一階に着いたが、嫌な違和感がした。
苦しむ声や荒い息も聞こえてこない。
無音な状態であった。
不安を隠せない清春は、すぐに美佳に駆け寄った。
「ミ、ミカ!?」
倒れこんでいる美佳を抱え、必死に叫ぶ。
しかし、反応がない。
何度も、何度も叫ぶ。
「……ミ、ミカ」
信じたくない事実に、清春は肩を落とした。
「……嘘だろ。う、嘘だ。ウ、ウワァァアッ!!」
あのとき、アイテムを飲まなければ。
美佳に少しでも残しておけば。
美佳を殺したのは、俺自身だ。
清春は美佳を強く抱き、哀しみと罪悪感から涙が止まらなかった。


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