キミの隣へ
「最ッ低ッ!」
お姉ちゃんは見てしまいました。
愛しい人が別の女の人といるところを。
1番目に映し出されてほしくなかったワンシーンを―――――。
気付けばあたしの足が勝手に店の中へ、そしてスモークのかかった俊也くんの隣の席へ……。
「絶対幸せにしてみせる」
俊也くんの声。
「彼女さんにも聞いてみて…」
知らない人の声。
「いや、言わない。バレるとマズイから自然に……な」
「……―自然消滅?」
蚊の鳴くような声でお姉ちゃんが言う。