キミの隣へ
あたしの隣




もう決めた。


力強く携帯を握り締めて発信ボタンへ。



『……結論出たんだよね?』


ワンコールで龍哉先輩の声。


「はい、あたし…あ、あたしでよければ…よろしくお願いします……」



最悪―――。


人生で最悪の嘘をついた。



泣きたい、泣きたいよ。

今すぐ大声で小さな子供みたいに。


でもあたしは強がりだから、泣かない―――。



そうやってまた感情を押し潰すんだ。




< 147 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop