キミの隣へ
「あ―なんか優歌の家って落ち着く」
「何言ってんの―亜稀大丈夫!?」
「えぇ~大丈夫―」
――ガタンッ。
音にびっくりして振り向くとドアの前にお姉ちゃんが立っていた。
お姉ちゃんは何も言わず充電していた子機を抜き取った。
「千祥ちゃん、結婚おめでとうございます」
その瞬間、ノブにかけていた手を離しくるんと方向転換をする。
「わぁ―――ありがと、彩弥ちゃん、亜稀ちゃん、麻由子ちゃんッ、ゆっくりしてってね」
笑顔でその台詞を言うとまたくるんと方向転換をしてノブに手をかけた。
「……あとぉ、彼氏はつくっときなよ」