呪いのテディベア Ⅱ

それからしばらくして
やっと笑いが治まったころに
ちょうど夢徒が帰ってきた。

様子がおかしい。

でも、訊いてみても
返ってくるのは

「大丈夫」



「何でもない」

ばかりだった。

だから私は少し苛ついて
自分の部屋へ逃げようとした夢徒の
そでの部分を乱暴につかんだ。

直後に長い袖が
肘のほうへめくりあがり、

目も覆いたくなるような
赤黒い打撲の跡が
私の目の前いっぱいに広がった。

思考が止まる。













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