月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「もちろん改札で検札済みよ」

「となると、田村が殺害された現場で見つかった、ナイフの謎が解けなくなるわけだ」

「そうなのよ」

検視結果を思い出したあたしはタメ息をついた。

田村と共に見つかったナイフは間違いなく小林を刺したものだった。

傷口だけでなく、ナイフについていた血や体組織も、小林のそれと一致していた。

「あのナイフで小林が刺されたのは間違いないのよ」

そしてそのナイフから田村の指紋が見つかった。

「でも田村が小林を刺せるはずがないのよ」

田村が乗ったこだま417号は静岡を11時20分に発車している。

一方、小林が乗っていたとみられる、ひかり78号は静岡に11時24分到着。

4分間のタイムラグがあるのだ。

これでは田村は小林を殺すことはできない。

仮に第3者が田村を殺したとしても、田村は小林をどのようにして殺したのか。

その謎が解けないのだ。

「被害者が小林だけなら楽だったんだけどね」

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