~ 桜 星 ~

だから
この日はもう上司のことを考えないで
もちろん
仕事している間は先生のことも考えないで
作業をしていた。

エレベーターのドアが開く音がするたびに
階段に通じるドアの音がするたびに
人の気配が感じるたびに
気になってしまうが
それをこの日はグッと堪えて
なるべく
見ないようにした。

この日の作業が終わると
私は会社の皆さんに
笑顔で

「お疲れ様でした。」

と言ってからすぐにロッカーに行き
黒いコートを着て
カバンを持って
外に出た。

遅く会社を出るほど
人に会う可能性が高い。

私が急いで外に出たのは
駅までの道のりをゆっくり歩いて
星を見るのが理由。

特に今日みたいな
特別な日は
私はこうしている。

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