未定
1章
―――間もなく時刻は七時です。―――



ピンポンパンポーンー…

『町内の皆さんおはようございます。5月20日月曜日のモーニング・セブンの時間です。
今日は、…………』



隣の家のテレビ音から始まり町内放送、その他諸々の雑音で毎朝目が覚める。






この土地に引っ越して一ヵ月半もいれば最初は煩かった機械音やらも習慣になる。



外では、ラジオ体操の音楽や学生の行き交う声が聞こえる。






ベットから重い体を起こし、一階のリビングに行くと、
【おはよう。
今日も残業で
遅くなります。】

と、書かれた紙と五千円札が一枚テーブルの上に置いてある。


これで、朝・昼・晩の食事をしろ、という事だろう…。




たいていいつも五千円札が置いてあるけれど、実質一日の食費で使うのはせいぜい二千円、残りのお金はお菓子の缶に貯蓄せれている。






こちらの高校に編入してきて早一ヵ月半だが、まだ一度も授業を受けていない。ましてや高校までのルートすら知らない。





表面的理由は、風邪を拗らせてなかなか治らないから、でも本当の理由はただ単に行くのが面倒くさいから……。




当然親は学校を休んでいる事なんて知らない。

むしろ興味を持たないだろう。

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