未定

一時間目



「はい滝川です。」


『もしもし?宮下なんすけど、鈴(レイ)さんいますかね?』


「……はい、私ですが……」


『お前だったのか、母ちゃんみたいな声してるから緊張しちったよ 笑 おはよう』


「…おはようございます。 あのどちらの宮下さんですか?」


『おぉー、忘れてた名乗るの、俺は1年6組担任の宮下賢吾だ。つまりお前の担任ってわけよ。』



ここまで言われて私は電話を切ろうと受話器を耳から離した…
がしかし、


『ちょっと、ちょっと…待って、お前今電話切ろうとしただろ、切るなよ。』

溢れんばかりの声が受話器から出てきた。


そして、再び私は受話器を耳にあてた。


『お前の考えてる事なんて電話越しでも分かんだよ。
ってこんな話をするために電話したんじゃないんだわよ。お前いつまで来ないつもりだよ どうせ風邪なんて嘘だろ。いい加減学校こいや いつでも待ってっから。じゃーな』



あっという間だった。


ペラペラと自分の用件のみ話して、ガシャンッ!っと電話を切る人なんて初めてだ。

嘘もばれていたみたいだし、なんだかあの担任も気になるので、学校へ行ってみようと思い、規則的に左右している振り子の方を見た。


10時30分。ちょうど3時間目が始まったころだろうか…今から支度をして学校に着く頃には、昼休みだろう。




さっきより軽い足取り2階の自室へ行き、クローゼットの奥で眠っている制服を片手にポーチから取り出した化粧品で化粧を始めた。


化粧なんて久しぶりだったけど、手は覚えているもので意外とすんなりと支度が出来た。
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