天気予報は暴風のち…Love!?
そんな果穂は校舎に戻る風でもなく、手すりに近づいて眼下に広がる景色を眺めている。

俺は床に座って壁にもたれた。

お互い何をするでもなく、二人きりの時間だけが過ぎていく。




飽きずに屋上からの景色を眺めている果穂の隣に立つと、俺にチラッと視線を移して、すぐに前を向いてしまった。

「お前、こんなとこにいていいの?」

「私、屋上に来たの初めてなの。こんな風になってたんだね」

クルッと身体を一回転させて楽しそうに笑う。

「何でそんなに嬉しそうなんだよ?」

俺の質問に「うーん」と唸って口を開いた。

「非日常かな」

「難しいコト言うな」

果穂の言葉の意味がわからない俺。
そんな俺を見て笑う果穂。



「ピアス、着けねーの?」

ピアスのない果穂は何か物足らない。

ポケットからピアスを出した果穂は恥ずかしそうに小さく言った。

「鏡がないと…着けれないの…」

「貸せ」

「え?」

「着けてやる」
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