天気予報は暴風のち…Love!?
果穂は一度手のひらでピアスをギュッと握って俺を見上げた。

俺が手のひらを開くとピアスが置かれる。

果穂の耳に触れると首をすくめて小さく呟く。

「冷た…」

「我慢しろよ」

ホールにピアスを通してキャッチで止める。

もう片方も同じく。

「ありがとう」

俺に笑顔を向ける果穂を気づいたら抱きしめてた。

「ふ…藤沢くん…?」

少し震えた声の果穂はそれでも逃げようとしない。



『俺の傍にいろよ』

つい口に出しそうになった言葉を飲み込む。

グイッと果穂を押しやると校舎へと続く扉に向かった。

何やってんの、俺。


果穂にはあいつがいる。
俺と真逆の似合いのオトコ。
そんな果穂に言ってどーなる。

果穂の困ったような泣きそうな顔が思い浮かぶ。

もしかしたら、さっきも腕の中でそんな顔してたのかもしれねーな…。
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