君が姫で私が王子
映画館隣のファーストフード店。

「僕、買って来ますね。」と言って、優はレジに並びに行った。

さっきは、優に恥ずかしい所を見せちゃったな......そんな事を考えながら、私は大人しくテーブルに座っていた。

そこに、見るからにチャラそうな男が3人......

「ねー。一人?良かったら俺らと遊ぼうよ!」
男の一人が話しかけてきた。

こういう奴等には、関わらない方が一番。
私が無視していると、別の男が

「つれないなぁ。」と手を掴んできた。

「離して!」
私は、手を払って逃げようとするが、男が強い力で手を掴んでいるから、逃げられない......

「怒った顔も可愛いじゃん!」

あんたに可愛いって言われても、嬉しくないわよ!

動き辛い服を着ているから、技もかけられない......

部活ではどんなに強くても、性格がどんなに男っぽくても、所詮私は女で、男には敵わないんだと実感した。

「何しているんですか?」
そこに、優が買い物を終えて帰ってきた。

「優、逃げて!」
お姫様みたいな優が、こいつらに敵う訳がない。

でも、優は「渚さんを離して下さい!」と、こっちに向かって走ってくる。

「なんだ?やる気か?」

優は殴りかかろうとしたけれど、男は難なく避けて、優を一発殴る。

地面に倒れる優......

「お願い!止めて!」私は腕を掴まれているから、泣きながら、その場を見ているしか出来なかった。

「こら!お前達何をしている!」
客の誰かが呼んだらしく、警察官が駆け付けて来た。

男達が急いで逃げて行く。

「優、大丈夫?」
綺麗な顔に傷ついちゃった。私のせいだよね......

でも優は、泣いている私の頬に手をやり、「貴女が無事で良かったです。」と言ってくれた。

その後、店ね休憩室を借りて手当てをして、優が大丈夫って言うからデートを続けた。



「今日はありがとう。楽しかった。でも、ごめんね?痛かったでしょ?」

でも優は笑って

「こんなの全然平気ですよ。でも、カッコ良く助け出したかったけど、無理でした。」

そんな事ないよ。凄くカッコ良かったよ......

「また遊びましょうね?」
私はそう約束して、ばいばいした。
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